こんにちは、ポワロです。
12月12日のフジテレビ「ザ・ノンフィクション」に都内の生活困窮者の支援団体「つくろい東京ファンド」の佐々木大志郎(ささき だいしろう)さんが出演します。
佐々木大志郎さんは、困窮者支援業界のオードリー・タンと呼ばれているそうです。
なぜなら、支援のための新しい仕組みやツールを発明して実用化させているからです。
困窮者支援業界という言葉は初めて聞きましたが、その中でパイオニアとして活躍されている佐々木大志郎さんのことについて興味を持ち、調べてみました。
佐々木大志郎さんはなぜ生活支援のためのIT活用サービスを次々生み出せるのか?
佐々木大志郎さんは、なぜ困窮者の生活支援において新しいスキーム(仕組み)やツールを次々に発案して実現できるのでしょうか?
大きく分けて、2つの要因があると考えられます。
1つ目は、困窮者が何に困っているのかを現場で観察したり、生の声をよく聞いたりしていることでしょう。
佐々木大志郎さんたちがやっている困窮者の支援というのは、本来は国や自治体がやるべきものだと思います。
しかし、国会で政治家によって議論されている話を聞くと、どうもピント外れなことが多く、スピード感覚も鈍いように思います。
それは、現場で何に困っているのかということを十分把握しないまま、机上の空論的な対策を考えたりするからではないかと思います。
例えば、現在国会議論されている18歳以下への10万円給付でも、年齢制限や支給方法(現金とクーポン券で配る)の点で本当に困っている人のニーズには間に合わないような方法が議論されています。
クーポン券なんか印刷するのに時間と費用がかかる上に、それを配るのも手間と時間がかかります。
とても先進国とは思えないほどの効率の悪さではないでしょうか。
もう一つは、佐々木大志郎さんはデジタル後進国の日本にあっても、IT技術を活用すれば早く、簡単に実現できてしまうことがあることをよく理解していることがあげられます。
佐々木大志郎さんはIT技術について仕事を通じて独学で身に付け、それを現場のニーズとうまく結びつけることによって新しい仕組みやサービスを生み出しているのです。
例えば困窮している人たちが携帯電話(スマホ)を持てないことや持っていても料金が払えずに使えないことに対して、IP電話の通話アプリを入れたスマホを無料で貸し出すことにより、携帯電話番号を持てるようにしたのです。
これが「つながる電話」というサービスで、佐々木大志郎さんは協力してくれるエンジニアの方とともに、通話アプリを開発しました。
アパートを探すにも、仕事の面接を受けるにも、電話番号は必要ですが、困窮者はそれを持てないから困っているということを理解したうえで、必要なサービスを考え実現するからうまくいくのですね。
佐々木大志郎さんのプロフィールやホームレス経験
佐々木大志郎さんは2021年12月現在42歳。
札幌から作家を目指して上京し、友人の家で寝泊まりしてアルバイトをしながら投稿を続けていました。
しかし、友人の家を出なければならなくなったため、ネットカフェで寝泊まりしながら、食品工場でアルバイトをしました。
そこで身体の調子が悪くなり、『もやい』に相談に行ったのです。
『もやい』というのは、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい、という都内の生活困窮者支援団体のことです。
佐々木大志郎さんは『もやい』に相談して生活保護を受け、アパートに入ることができました。
その後、2013年から『もやい』で主にウェブ広報を担当する職員となり、困窮者支援業界に入ることになったわけです。
仕事としてホームページの更新やSNS運用をスタートさせたり、クラウドファンディングの利用にも関わったりしました。
2014年には「つくろい東京ファンド」の創設に加わりました。
そこで、生活を支援する側の人達を紹介するサイトを作ったのですが、そのことによって支援団体によってお金が集まるところと集まらないところがあることがわかったのです。
佐々木大志郎さんは、この支援団体間の不均衡さを都内で活動するNPO団体とで共有しました。
その結果、9団体が協働して2019年に「東京アンブレラ基金」が設立されました。
これは寄付してもらった支援金をプールしておいて、緊急宿泊費をそれぞれの団体が支援したら、後で基金からその団体に支給する仕組みです。
貧困問題に関する自助、共助、公助のあるべき姿について
コロナ禍だけではなく、いろいろな事情で仕事ができなくなり、生活が立ち行かなくなった人が増えています。
そのようなとき、まず自分で何とかしようと頑張る人が多いのです。
しかし、自助努力で頑張ろうとしたために、結果的に所持金が無くなってどうしようもない状態で支援団体に来る人が結構いる、ということも現場にいるからわかることだと思います。
それを助け合いの精神で何とか支援してあげようというのが「共助」ですが、これには緊急的、応急的な対応しかできないという限界もあるでしょう。
やはり、最後の砦として、生活保護という公助があるのですが、実際には利用したがらない人がいたり、逆に利用しようとしても申請させないようにする水際作戦をしている福祉事務所があったりという問題があるようです。
厚生労働省は「生活保護の申請は国民の権利です」というのですが、現場で申請させないような動きがあるのは、やはり政治(行政)として問題があるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、困窮者支援業界のオードリー・タンとも呼ばれている佐々木大志郎さんについて調べてみました。
佐々木大志郎さんには、今後もIT技術を活用して、困窮者支援のための新しい仕組みやサービスを生み出してほしいと思いますし、このようなサービスが全国に展開されていくことも期待したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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