こんにちは、ポワロです。
3月17日のテレビ東京「カンブリア宮殿」で冷凍機メーカー「テクニカン」の創業者社長の山田義夫(やまだ よしお)さんが紹介されていました。
山田義夫さんが開発した冷凍機は液体凍結方式で高速冷凍を実現するという画期的なもので、外食店を始めとする飲食業界では知る人ぞ知るという存在だそうです。
今回はこの液体凍結方式の高速冷凍機を開発した山田義夫さんについて調べてみました。
山田義夫テクニカン社長の高速冷凍開発の秘密
山田義夫さんは若い頃から60年近くダイバーを続けていることや、若い頃にブラジルに行ってアルコール燃料を作る手助けをやっていたこと等の経験から、液体が非常に熱を奪う(熱伝導性の良さ)ことや何故アルコールを使うのかということを感覚的にわかっていたのです。
なので、凍結させるのであれば、液体で凍らせたほうが速いだろうと考えました。
また、液体としてアルコールは比重が小さいので物が沈んでくれるし、製品表面に付着した分は蒸発してくれる、また消毒効果もあるという理由でエチルアルコールをベースに使いました。
この液体凍結方式の高速冷凍機はマイナス30度のアルコールで凍結することで、マイナス100度の窒素ガスの8倍の速度で凍結できます。
しかも、高速に凍結することで、解凍後の品質が非常に良いということもわかったのです。
偶然とはいえ、液体凍結は今では品質も売りにすることができるようになったんですね。
山田義夫テクニカン社長の経歴
山田義夫さんは1947年3月23日、東京生まれ。
子供の頃から自然の中で遊ぶのが大好きだったそうで、13~14歳頃から海に潜ったりしていました。
東洋大学を卒業後、遊ぶためにお金を稼ごうと、会社員、猟師、乗馬クラブなどいろいろな仕事を経験しました。
その後、食品加工会社で商品開発をしていた1980年代に外食ブームで食肉需要が急増したんだそうです。
需要の急拡大に追いつくために、食肉の冷凍時間を短縮する必要に迫られました。
そのために、山田義夫さんはもともと機械屋さんではありませんでしたが、急速冷凍機を開発することになりました。
そして、液体凍結機「凍眠」を開発することに成功し、勤務していた食品加工会社は大躍進を遂げました。
数年後、山田義夫さんは液体凍結機メーカーとして独立し、株式会社テクニカンの社長となりました。
10年ほど前からは「小型のものが欲しい」という声が多く聞かれるようになります。
そして、3年がかりで企画・開発した「凍眠ミニ」は50cm四方に置け、電源も100Vに対応し、価格も類似商品の半額以下の78万円という個人店でも購入可能な戦略的商品となりました。
2020年に発売された「凍眠ミニ」は、コロナ禍の影響も追い風となり、5月頃から販売数が急増。
導入するメリットは、おいしさをキープできる、廃棄ロスを減らせる、寄生虫対策、物販にも使える等いろいろとあり、導入したお店からは大好評だそうです。
2021年2月、凍眠をより多くの人に知ってもらうためのアンテナショップ「TOMIN FROZEN」を横浜市にオープン。
また、導入を検討している人のために、テクニカン本社で定期的に無料の体験会(要予約)を開催しています。
液体凍結のパイオニア山田義夫社長のSDGsへの貢献
液体凍結の高速冷凍機を開発し、液体凍結のパイオニアとなった山田義夫社長ですが、今後のビジョンとしてSDGsへ貢献できる機械であるということで、国連でプレゼンをしたこともあるのです。
SDGs(Sustanable Development Goals 持続可能な開発目標)として17の目標が掲げられていますが、液体凍結によって以下のような貢献ができると考えています。
・解凍によるドリップを防げるので、フードロスや海洋汚染を防げる
・液体凍結で長期保管が可能となり、食料備蓄や海洋資源の保全に役立つ
・長期保管できることで物流をエコにできる(飛行機による高速輸送から船でまとめてゆっくり輸送)
それ以外にも、医療分野への応用も可能性があると考えられますので、その方面での貢献も期待できそうですね。
まとめ
今回は、液体凍結のパイオニアである山田義夫テクニカン社長の経歴や高速冷凍機を開発できた秘密やSDGsへの貢献について調べてみました。
この液体凍結技術は世界16か国で特許も取得されているということですが、非常に広範囲にわたって生活を豊かにしてくれる素晴らしい技術だと思います。
そのうち、各家庭に小型の液体凍結機があるような時代になったりするのでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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