ネットワーク機器の電源ノイズ
ネットワークトランスポート、NAS、ルーター、USBハードディスク、ノートPCのACアダプタは全てスイッチング電源なので、かなりのノイズ発生源になっているはずです。
ノイズフィルタを介して機器に接続しているので、機器へ供給される電源はある程度ノイズが除去されていると思います。
しかし、スイッチング電源から空気中に放射されているノイズはあるはずです。
対策として、スイッチング電源の代わりにアナログ電源を使ってみたいですね。
アナログ電源とスイッチング電源
アナログ電源と呼ばれている電源は、コンセントからのAC(交流)100V(50Hz/60Hz)をトランス(変圧器)を通して電圧を下げ、その後で整流して直流電圧を取り出す方式の電源です。
スイッチング電源は、AC100Vを整流した後、発振(スイッチング)回路で数10kHz~数100kHzの交流でトランスを通した後、再度整流して直流電圧を取り出す方式の電源です。
スイッチングによるパルス波の高調波成分がノイズとして放射されます。
このノイズがオーディオのアナログ信号や電源に影響を与えることで、再生音を汚すことに繋がります。
アナログ電源のメリット
アナログ電源は、大きくて重いトランスを使う必要があるため、スイッチング電源に比べて大きさ、重さ、価格で劣ります。また、変換効率も悪いので、発熱が大きくなり、省エネ性でも劣ります。
しかし、アナログ電源にはノイズが少ないというメリットがあります。これは、オーディオのようなノイズに敏感なシステムには何より好都合です。
ネットオーディオに使えそうなアナログ電源候補
ネットオーディオで使用するNAS、ルーター、ネットワークトランスポート等の機器は2~3A以下のDC12VかDC9Vで動作するものが多いです。
それらの電圧、電流容量のアナログ電源の候補としては以下のものがあります。
①エーワイ電子 ELSOUND アナログ電源
APS-g-imp-DC12V3A 18,800円(税別)
APS-g-imp-DC9V3A 18,800円(税別)
②フィデリックス
電圧 3.3V – 24V
6W 13,143円
12W 26,477円
18W 33,143円
③AudioDesign
1Aモデル 5V/9V/12V 36,000円(税別)
2Aモデル 9V/12V 55,000円(税別)
④JS PC Audio
小出力:12V(1.2A/2A) 20,000円 – 25,000円
HiFiモデル: 3.5万円程度
今回は、これらの候補の中から一番低価格で、コストパフォーマンスの良さそうなエーワイ電子のアナログ電源DC12V3Aタイプを試してみます。
ACアダプターをエーワイ電子のアナログ電源に交換
現在使用しているルーター(バッファロー WHR-1166DHP)、NAS(IO Data Rock Disc Next)、USBハードディスク(ロジテック LHD-EN20U3WSWH)はいずれもDC12VのACアダプター(スイッチング電源)が付属しています。代わりにエーワイ電子のアナログ電源DC12V3Aがそのまま使用できますので、3台とも交換してみました。
その結果、S/Nが大幅に改善され、楽器の質感がより自然になり、弦楽器がさらにきめ細かくなって生音にさらに近づいた感じがします。これなら、オーケストラやオペラを長時間聴いていても疲れませんね。
エーワイ電子のアナログ電源に電源コードは付属していませんので、在り合わせの電源コードを使いましたが、もう少しグレードの高いものを使えばさらに良くなるかもしれませんね。
このまま良い音で鳴ってくれそうなので、次はネットワークトランスポート用にDC9V3Aタイプを購入して試してみようと思います。