秋から冬にかけて湿度が下がってくると静電気が発生しやすくなります。
・静電気はオーディオにとって大敵
別の記事にも書きましたが、静電気はオーディオ用電子機器やケーブルにとって、ノイズ発生源になるので、音質を悪化させてしまいます。
別の記事で除電器について書きました。簡単に除電できるのですが、効果が持続できないのが欠点ですね。
・静電気対策グッズとして、安価で効果が持続しそうなもの
今回は、効果が持続できそうなグッズとしてアークスで販売している除電キットを試してみることにしました。
アークスで扱っている除電お試しキットの商品名は、「新JODENお試しキット」で税抜きで3000円です。
キットの中身は、
① 除電テープ 4本
② 帯電防止剤 1本(50cc)
③ 静電気除去繊維 20g
④ 筆
の4品です。
①の除電テープは、三菱ケミカル(株)が開発した静電気除去繊維「コアブリッドB」を使用したフェルト(不識布)で作られている2cm×100cmの粘着テープで、オーディオケーブルに巻き付けて静電気除去に使うことが想定されています。
②は(株)ボロン研究所が開発したアンチスタHという液体の帯電防止剤です。
説明書には、帯電しているプラスチック、繊維、ガラス等の絶縁体表面に本製品を付けると瞬時に除電され、半永久の静電気防止効果がある、と書かれています。
③は①の除電テープに使用している静電気除去繊維「コアブリッドB」の原綿です。
・効果がありそうなところはどこ?
①の除電テープは、ケーブルに巻きつける使い方が想定されています。
なので、アンプやネットワークトランスポートの電源ケーブル、スピーカーケーブルに巻きつけて試してみようと思います。
②の帯電防止剤アンチスタHは④の筆や刷毛で塗って使います。
③の静電気除去繊維は絶縁体なので、電源ボックス、配電盤の中に使えそうです。
・アンプの電源ケーブルにアンチスタHと除電テープを試す
まず手始めにAITのDAC、プリ、パワー一体型アンプの電源コードに試してみました。
このアンプの電源ケーブルは、特にオーディオ用として高価格で販売されているものではなく、一般的に電気店で数100円程度で売られているようなものです。
最初に帯電防止剤アンチスタHを筆に吹き付けてからケーブルの絶縁被覆の端から端まで塗っていき、5分間程乾かしておきます。
除電テープは2cm幅ですが、これを1cm幅に半分に切って使います。2cm幅のままでも良いのですが、ケーブルの長さ方向をなるべく多く巻き付けたいので、このようにして、1cm×100cmのテープを2本作ります。
除電テープはアンプ側と電源コンセント側からそれぞれ巻き付けていきます。隙間があっても良いそうです。
このようにしてアンチスタHを塗布し、除電テープを巻き付けた電源ケーブルをアンプと電源タップの間に接続します。
試聴した結果ですが、除電対策する前に比べて明らかに静かさが増しています。なので、アンプの音量を少し上げないと、対策前と聴感上の音量が同じ位になりません。ノイズが減ったためか、楽器の鳴り方がよりクリアになり、音の力強さ、きめ細やかさが増したように感じます。
・USBハードディスク用アナログ電源の電源ケーブルにアンチスタHと除電テープを試す
ロジテックのUSBハードディスクをsMS-200のNAS機能用に使っています。
このUSBハードディスクの電源は付属のACアダプタではなく、アナログ電源に交換しています。
このアナログ電源の電源ケーブルにアンチスタHを塗布し、除電テープを巻きつけました。
さらに、USBハードディスクのケースがプラスチックなので、こちらも静電気対策としてアンチスタHを筆でプラスチックのケース表面に塗ってみました。
これらの静電気対策の効果を確認したところ、腰を抜かすほどの激変ではありませんが、一段と音質が良くなっているのは間違いありません。
これで、USBハードディスクの楽曲ファイルを再生したほうが、ネットワークで接続されたRockDisk Nextの楽曲ファイルを再生したときより明らかに良くなりました。
バイオリンの高音が伸び切り、空間に響き渡る感じがリアルです。オーケストラでは、コントラバスのゴリゴリとした感じの力強さがたまりませんね。全体に音に芯があり、クリアさが一段と増した感じで、これまでの中でベストな鳴り方ですね。
他の機器の電源ケーブルやスピーカーケーブルにも試してみたくなりました。
手軽に試せて効果もありそうなので、一度試してみてはいかがでしょうか?