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長岡鉄男がレコード芸術誌に連載した『レコードえんま帳』の情報量が凄い!単行本はオーディオ好き必読

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こんにちは、ポワロです。

昭和生まれでオーディオに興味があれば、オーディオ評論家長岡鉄男さんの名前を知らない人はいないのではないでしょうか。

私自身中学生の頃からオーディオとクラシック音楽に興味を持ち始め、音楽之友社の雑誌『ステレオ』と『レコード芸術』を愛読していました。

レコード芸術』はクラシック音楽関係のレコードの紹介、批評をする月間誌です。

その『レコード芸術』に1987年1月から2000年6月まで長岡鉄男さんが連載していた記事が『長岡鉄男のレコードえんま帳』です。

この『長岡鉄男のレコードえんま帳』が単行本化され、2021年10月から書店に並び始めました。

早速購入して中身を確認してみましたので、紹介したいと思います。

長岡鉄男さんがレコード芸術誌に連載した『レコードえんま帳』の情報量が凄い!

レコードえんま帳』というタイトルが付いていますし、レコード芸術という主にクラシック音楽関係のレコードを扱う雑誌の記事なのですが、単なる名曲、名演奏の批評をするという記事ではありません。

長岡鉄男さんはオーディオ評論家ですので、スピーカー、アンプ、レコードプレーヤー等のオーディオ機器のテストをして、その批評を雑誌記事などにするのが仕事でした。

長岡鉄男さんはオーディオ機器をチェックするために使うレコード(LPレコード)やCD、LD(レーザーディスク)、DVD等のソフトを全数自腹で購入し、批評に使っていました。

そのため、長岡鉄男さんが収集したレコードやCD等のディスクは5万枚に及ぶといいます。

その膨大な所有ディスクの一部を『レコードえんま帳』で紹介しています。

ただ、えんま帳(閻魔帳)というタイトルが付いているように、全てのディスクを安易にほめるようなことはなく、良くないものは良くないとズバリ切って捨てるところが長岡鉄男さんらしいところです。

連載は長岡鉄男さんが亡くなる直前まで、全部で159回続きましたが、各回の記事は5000文字前後はあります。

しかも単なる視聴記ではなく、背景となる事柄や人物等についてもしっかり調べて記述されています。

連載が始まった1987年といえば、今のようにインターネットで簡単に検索できるわけではなく、調べものは国会図書館に通うような時代でしたから、これだけの情報をどうやって入手していたのだろうと思います。

『レコードえんま帳』単行本はオーディオ好き必読!

今回単行本化された『レコードえんま帳』は上巻、下巻の2冊に分かれています。

上巻は1987年1月号~1993年6月号までの第1回~第77回まで、下巻は1993年7月号~2000年6月号までの第78回~第159回の記事を収録しています。

  

記事の中身は膨大であり、全てを読み終えたわけではありませんが、私が印象に残ったことを挙げてみます。

マイナーなものを基本に、時々まともなもの取り上げている

長岡鉄男さん自身マイナーなものが好みで、いわゆるクラシックの名曲・名演奏は詳しい評論家がたくさんいるので、徹底的にマイナー路線で行くつもりだったようです。

従って、現代音楽や古楽、民族音楽等のマイナーな音源が多数紹介されています。

しかし、あまりマイナー過ぎて誰も読まない(雑誌が売れない)とマズいので、時々はまともな曲や作曲家のものも取り上げています。

・既にCDが発売されていた時期の記事なので、LPレコードも少しは紹介されていますが、CDやLD(レーザーディスク)が多く紹介されています。

・自らの経験から「名曲名演奏に名録音なし」という格言(名言)を残されています。

名録音なディスクを選んでいくと、どうしてもマイナーな曲や演奏者になってしまうようです。

あくまで、オーディオ機器のチェック、テスト用に使うソースとしてディスクを選んでいるというポリシーが感じられますね。

・1988年8月号では『重低音再生』のテーマが取り上げられ、初めてスペアナ(周波数毎の音の分布を表示する)写真を掲載しています。

これによって、そのディスクに収められている音の周波数分布が目視で確認できますので、ディスク評価の一つの客観的指標として使えます。

これも、長岡鉄男さんが使っていたリファレンスのスピーカーが広い周波数範囲に渡ってちゃんと再生できていたから意味があったんでしょう。

とにかく、こんな音源があったのか、といった新たな発見に出会える記事が満載ですので、オーディオ・マニアなら読んでみて損はないのではないでしょうか。

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長岡鉄男さんのプロフィールと経歴

長岡鉄男さんは1926年(大正15年)1月5日、東京府(現:東京都)生まれ。

本名は富岡寿一(とみおか じゅいち)

2000年5月29日に持病の喘息が悪化して74歳で亡くなっています。

終戦後初めのうちは放送・コント作家をしていましたが、1957年頃から音楽之友社の雑誌に記事を書くようになりました。

作家としての経験を活かして、ユーモアのある文章で辛口の批評を書くことで人気がありました。

長岡鉄男さんの記事で特に人気のあったものとしては、自作スピーカーの工作記事およびソフト紹介(主に輸入盤)記事があります。

自作スピーカーの設計については、なんと生涯に600種類も発表しています。

現在でも長岡鉄男さんの設計したスピーカーやそれをベースに設計した自作スピーカーを愛用しているオーディオ好きの人も結構いると思います。

私が現在使用している音工房Zバックロードホーン・スピーカーは、長岡鉄男さんが発表していたバックロードホーンの影響を受けた方が開発したものです。

このバックロードホーン・スピーカーについては、コチラの記事を参照してください。

小口径ユニットFE108-Solを使ったバックロードホーンスピーカーは素性が良い

このスピーカーを使う以前には、パイオニア、ビクター、ダイヤトーン、タンノイ等のブランドのメーカー製スピーカーを使ってきましたが、それらは全て退場していただきました。

長岡鉄男さんは、晩年には究極のホームシアタールームを実現するために、埼玉県越谷市の自宅隣に「方舟(はこぶね)」という建物を建てたことでも有名です。

まとめ

今回は、長岡鉄男さんがレコード芸術に連載していた『レコードえんま帳』の内容等について調べてみました。

私自身長年オーディオや音楽鑑賞を趣味としていますが、今回単行本化された『レコードえんま帳』を読んでみて、知らないことだらけだったことが発覚してしまいました。

今から20年以上前に、このような貴重な情報が発表されていたのに驚くとともに、これから少し時間を取って記事を読み進めていこうと思います。

現在ではダウンロードした楽曲をスマホとヘッドフォンで聴くようなスタイルやストリーミングで音楽を聴くようなことができる時代になりました。

もし長岡鉄男さんが現在も生きていたら、どのような評論をされるのだろうか、と想像しながら『レコードえんま帳』をチビチビと読むという密かな楽しみができてしまいました。

このような貴重な記事を単行本化してくれた音楽之友社にも感謝したいと思っています。

長岡鉄男のレコードえんま帳 上巻 (ONTOMO MOOK) 

長岡鉄男のレコードえんま帳 下巻 (ONTOMO MOOK)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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